自転車脇で泣いていたお母さんの話

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朝、保育園のお見送りに良く一緒になるお母さんがいる。

いつも2人の女の子を自転車の前と後ろに乗せてやってくる。

私が息子を見送って、車に乗った際、あのお母さんも戻ってきたところで、なんとなく眺めていた。

お母さんは、なんだか暗い顔をして自転車までやってきたけれど、ハンドルを手にしようとしたところで、ちょっとだけ躓いた。

その瞬間、涙をぬぐう仕草をしたのが分かった。

あぁ・・分かるなぁって。

朝、子供を保育園に行くのが当たり前になっているけれど、保育園に向かうまでいろんなドラマがあったりする。

子供が行きたくないと言い出したり、ケンカしたり。

2人預けていると両方が物分りがいい日なんて奇跡だろう。

毎日が戦いで、毎日簡単じゃない。

 

そして、やっとの思いで預けて帰る瞬間も、いろんな思いが交錯する。

お母さんの心って表面張力でやっとやっとのことってよくあると思う。

そう、表面張力でなんとかなってるっていうか。

余裕なんてなくてね。いっぱいいっぱいも通り過ぎて、ほんともう、零れ落ちそうなのよ。

 

あのお母さんは、自転車に躓いたのを合図に、気を貼っていた表面張力がこぼれちゃったんだ。

なんか、とっても・・分かるなぁ・・。理解できる。

 

こういう気持ち、お父さんって分かるのかなぁ?

なんか、母性独特なもののような気がするけれど、朝からもう、いっぱいいっぱいの状態なのに、仕事に臨むお母さん。

 

分かってほしいなぁ、お見送りもお迎えも簡単だと思っているお父さんに。

 

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