あの男①:幼い子供を育児していたシングルファーザー

運命の赤い糸 あの男シリーズ

結婚をして、出産をして。

そして、たまに思う。

もう、恋愛はできないんだろうなぁ~・・と。

そして、過去に出会った男性達。

未練があるとか、そういうことではなく、どうしているかなぁ~・・と。

本当に、ふっと。

そんなことを考えて、過去の男性達を振り返ってみようと思う。

※このシリーズは小説調で綴ります(笑)

幼い子供を一人で育児するシングルファーザーT氏

なかなか結婚しないトメコを心配して、親友が段取ってくれた合コン。

男性幹事がT氏、女性幹事がトメコでした。

T氏は奥様を病気で亡くしたシングルファーザーで、幼い子供2人を育てていました。

そういった話も親友から事前に聞いていたけれど、30の半ばで開催される合コンなんて、まっさら男子が参加することなんて稀で、バツイチや子持ちなんて珍しくはありませんでした。

特になんとも思わず、顔もわからないまま、メールで合コンについての相談をし合いました。

顔を見るのは、合コン当日。

第一印象、「あら、若いじゃん♪」

背は低いけれど、年上の割には見た目は若い。

アウトドア系ブランドのカジュアルな服装も悪くない。

ただ、今回トメコは幹事。

自分よりも友達に楽しんでもらいたい、とにかく「楽しい会にしたい」という思いの方が強く、このときは特になにも思いませんでした。

余り覚えていないけれど、多分どこかの居酒屋で飲んで、二次会にカラオケ。

音量の大きく、騒がしい中で幹事同士「今日はどうだった?」なんてコソコソ話したことだけ妙に覚えている。

距離が近くなったのは合コン後のふたり反省会

合コンも無事終わり、メールで幹事同士「お疲れ様!」の連絡。

まぁ、ここまで普通の話。

大体はこのお疲れ様メール後に音信不通になるのが常で。

ただ、この時は「ふたりでお疲れ様会でもしますか」ということになり、後日、ふたりで反省会と題して飲みに出かけることになった。

このときにT氏は

実は俺・・子供いるんだよね

と告白。

私

はい、それがなんでしょうか(合コン前から知ってたし)

真顔で返すトメコ。

この、なんてことないやり取りが

「既婚者、子持ちの俺と普通に飲んでくれる女子!!」となったらしい。

それからメールでやり取りが続き、2度目のサシ飲みの時に、なんとなく・・付き合おうか、ということに。

子供がいても、私的には「まぁ、なんとなるかなー」くらいにしか思っていなかった。

それよりも、奥様を亡くし、子供を一生懸命育てている彼の姿に尊敬の念を抱いていたし、ある意味それがなかったら、惹かれていなかったかもしれないとさえ思う。

甘い!甘いよ、トメコ!付き合ってからが難しかった!

奥様は病死して2年ほど経っていたようだった。

お子さんは5歳と3歳の女の子と男の子だった。

やっぱり結婚したことがない私、出産したことがない私、子供を育てたことがない私には、「子供がいる生活」というのをなかなか理解することができなかった。

デートが子連れでも、どちらかの家ばかりでも、それでも良かったんだけど、どうも自分の立ち位置が分からない。

私のことを好きで付き合っているのか、お母さん候補として選ばれているのか。

この微妙なところで心が不安定になっていった。

そんなある日、彼がネックレスをしていることに気が付く

服を脱いで分かる。「結婚指輪」。

うん、仕方ない。嫌いで別れたわけではないし、離婚とも違う死別。

つらいのは分かる。それを全部ひっくるめての“付き合い”だ。

でも、気になったのが、最初の方のデートには付けて来ていないということだ。

付き合うことが決まって、少ししてから、わざわざ結婚指輪にチェーンを付けて、首にぶら下げている。

夜を共にするたびに、それが目に入る。

既婚者と不倫しているみたいな気になった。

クリスマスも頓挫。サンタクロースは来なかった。

もやもやした気持ちをどこかに残しつつも、付き合いは続いていた。

子供がいるから、そう毎日は会えない。

大体仕事が終わってから少しのメールと、子供が寝静まった後の電話orメールでつないでいる感じだった。

初めてのクリスマス。

平日だったのもあって、どうする?といった相談もなく、会わないのが当たり前、のように当日を迎えた。

彼は来ない。子供たちのサンタクロースにならないといけないらしかった。

うん、子供が一番なのは分かる。

でも、トメコは初めてのクリスマス。一人ぼっちの部屋で過ごすのが・・とてもつらかったのを覚えている。

今思うととても面倒な女なのだけれど、フォローをしてくれてもいいじゃないか?と思っていじけていた。

お父さんが女を連れ込むって子供はどう思うんだろう?

たまには彼の家にも行った。

ご両親と共に住んでいる大きい一軒家だった。

いきなり来た【彼女】に、ご両親はビックリしている様子だった。

子供たちと遊んで過ごし、寝かしつけたら2人の時間。

でも・・お母さんが寝ていた場所に、“彼女”がお父さんと一緒に寝てるってどんな気分なんだろう・・。

泊まるわけにはいかないので、事が済んだら寝ないように1人で帰るのだけど、車を運転しながら心がシクシク痛む。泣きながら帰ったこともある。会うたびにどこか心に傷を負っていた。

極め付けは、デート中、何気ない会話で、彼の子供の男の子3歳が

「・・・ぼくのママ、しんじゃったんだ・・・」と。

返す言葉なかった・・。

あぁ。。なるほど。“お父さんの営み”ってこういう風になるのだな。

ある意味目からウロコだったのが夜の営みだった。

今から推測するのは、子供がいる夫婦って、夜、そんなにゆっくり時間を取れない。

子供が起きるかもしれない、というヒヤヒヤ感もある。

また、お互いが恋愛ではなく、家族になっている中での営み。

んーーーっと、なんていうか・・・ゼンギがない(笑)

すぐ終わる。何をそんなに急いでいる?っていう感じ。

付き合い始めのカップルのそれ、じゃない、っていうか・・。

そそくさと終わり、そそくさと帰っていく(トメコの家にいるときは)または寝る。

余韻なし。コウギもなし。

きっとね。こういうやり方に慣れちゃっていたんだろう、彼は。

夫婦のそれ、子供のいる家庭のそれ、になっちゃっていたんだろう。

正直・・・カルチャーショックだった。(今なら納得 笑)

死という言葉の重み、小さな違いがすれ違いを生む

こんなこともあった。

死という言葉に対する重みの違い。

私も気を付けていた部分はあったけれど、たまに普通の会話で「死んじゃうよー!そんなーん 笑」とかさ、「もう、死にそげー!」とかさ、口走ってしまうことがあり、そんな瞬間、彼の口調が変わり

[kaiwa6]死とか簡単に使うなよ[/kaiwa6]

と。

分かる。

うん、分かる。

その通りだと思う。

大事な人を亡くされた経験があるのだから、のほほんと生きている私が、簡単に口走る「死」という単語が許せないのだというのも理解できる。

・・・でも、毎回どこか気を使い、なんだか自分の立ち位置もわからず、私の心は細かい擦り傷だらけになっていた。

無理だ・・子供がいない私にとって、子供がいる人との恋愛は。

そんなことを考えて疲弊し始めていた。

彼は彼なりに、彼女が出来てから気づくことがあったらしい

トメコなりに悩んだ時間だったけれど、彼は彼なりに悩んでいたらしい。

どうも、付き合い始めの最初は「彼女ができた!やった~♪」らしかったけれど、じわじわと亡くなった奥様への罪悪感にかられていたそう。

俺、、彼女つくってていいんかな?という気持ちが強くなったらしい。

今思えば、クリスマスを一緒に過ごさなかったのも、思い出が上塗りされるのを拒否したんだと思う。

そういうことの拒否反応から「やっぱり、俺、嫁さんが好きだわ」という気持ちが強くなっていった、ようだった。

忘れられてない。

彼女を作れば忘れられるさ、ではない

きっと、私と比べて、嫁さんの方がいい、ってなったのだろうが、始めっから彼女を作っていい土台がないままのスタートだったんだろうと思う。

“亡くなった奥さん”は亡霊のように現れる

日常の会話にもよく“奥さん”を出してくる人だった。

過去の恋愛とも違う、“前妻”とも違う存在。

T氏は、自分達の結婚式の話とか、奥様にあげたプレゼントの話なんかを、よくしてきた。

どうなんだろう?普通はあんまり・・しないよね?

彼にデリカシーがないのか、私の心が狭いのか。

彼の“奥様”は、亡霊のように現れて、私を苦しめた。

亡くなった方なのに、嫉妬をするようになっていた。

亡くしてから2年しか経ってなかったのもあるかもしれないけれど、言い方は悪いけれど亡くなった方に勝てる気はしなかった。

思い出はどんどん美化されていくだろうし、いろんな感情を抱かされた人にはどうやっても勝てない。

そんなこんなでT氏とは最後にお互いの胸の内を話し合い、2か月足らずでお別れすることになった。

それまでデートも2回くらいしかしなかったし、過去最短を更新した付き合いだった。

T氏のその後

T氏はその後、保母さんと再婚した、という話を聞いた。

それを聞いたのは、トメコがまだ婚活中のとき。

結構、ショックだった。

くっそーーー!って思ったね(笑)

でも、子供がいるT氏にとって、保母さんと結婚するということは理にかなっていると思った。

いい人、見つけたねぇ~って。

でも、結局、その再婚相手ともすぐに離婚したらしい。

どうやら奥様の方が精神崩したらしい。

その再婚相手の奥様の気持ちも・・・分かる。

難しいよね、自分の子供じゃない子を育てるって。

いきなり同居だったと思うし。

田舎の“本家”の“ご長男”の“自営”のお家だったものね・・・

あぁ、、今思えば、本当に難しい恋愛に挑んでいたな。

T氏よ・・・。きっとまた再々婚するのでしょうが、トメコのように苦しんだ人がいたことも忘れないでいてください(笑)

あの男シリーズ
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